すいの読書ノート

読書ノート、感想置き場

『魍魎の匣』 ネタバレあり感想1

前回の姑獲鳥の夏に続けてすぐに読んでしまった本。

 

 

 

感想を書こうと思ってみたら匣がパソコンの予測変換に出なかった。私のパソコンが知らないのか、あまり使われていないからなのか。普段使わない漢字はすぐに変換されるのに見たことあるような漢字が入っていないのはなぜか。このせいで本当に読み方があっているのか自分を疑うことになった。

ただ電子書籍だったので該当部分をなぞると辞書が出て、読み方や意味などを教えてくれた。パソコンのおかげで更に電子書籍のいい部分を見つけることができた。塞翁が馬ということなのか、電子機器に馬鹿にされているのか。

 

 

魍魎の匣始まりは楠本頼子がいかに柚木加菜子が好きであるかについて語られていた。喫茶店に入るのが校則違反らしいがそこに入り浸って非行をしている気分になっているのは少し微笑ましかった。生まれ変わりだったり転生だったり少し突飛な話を頼子ちゃんは信じていた。思春期の少女が二人で転生だとか生まれ変わりだとか信じているのはかわいいと思う。こういった描写は少し前の時代設定だからこそ生々しく感じる気がする。勝手な偏見かもしれないが、少し前の時代設定だと実際にありそうと思ってしまう。しかし現代だと狂っている人として強調されてしまう気がする。二人で湖へ出かける途中で加奈子ちゃんが電車に轢かれる。

頼子ちゃんの加菜子ちゃんへの信仰のようなものが語られた後だと頼子ちゃんが突き落としたのではないかと思う。こういった話はよく見る気がする。

 

そこでこのシリーズの主要人物である木場が出てくる。

 

正直この木場刑事は苦手な人物だ。ドラマの中でも犯罪捜査ものが好きでよく見ている身からすると、木場の独断だったり被害者に対する態度だったりが話がねじれるポイントに見えてしょうがない。正義感を持っているいい人なのかもしれないが、単純に自分からすると苦手と思ってしまうタイプなのだと思う。

 

自殺なのか事件なのかはっきりしない事件に木場刑事はかかわっていく。加菜子の容体がよくないまま保護者である人達が出てきた。弁護士の増岡と保護者の雨宮と姉の柚木陽子が出てくる。この陽子が木場が恋のような思いを抱いている美波絹子という元女優であった。加菜子が違う場所に移されるところで場面が変わる。

弁護士の増岡さんは弁護士への嫌な偏見をまとめた人過ぎて面白かった。こんなテンプレみたいな弁護士居たらすごい。 読み進めていく時には嫌な人だなと思っていたら最後で印象が変わってよかった。

 

展開が変わって関口君目線になった。久保という新しく出てきた作家に少し馬鹿にされたように言われて、なんとも言わずにスルーするところが京極堂にいいように言われる理由なのではないかとも思う。ここで二足のわらじを履いている雑誌がわかる。そこの鳥口君が持ってきた話題が今回いい感じに絡まる。小説家と少しグレーな雑誌の掛け持ちは普通にカッコイイと思う。鳥口君と敦子ちゃんとバラバラ殺人を調査している最中に木場刑事と偶然怪しい建物で会う。みるからに怪しい感じがしていていかにも調べてくださいと言わんばかりの状況だった。誰でも調べたくなる状況で記者と編集者と作家がいる状況は致命的すぎると思う。見つかったらやばい人達に見つかって施設の人が可哀想になるくらいの人選でしかない。

 

途中途中の頼子ちゃんが抱くお母さんへの思いが色々ひどいと思っていたのだけれど、そのお母さんは宗教にハマっていた。どちらも悲惨だと思う。頼子ちゃんはもはや空想を信じているような感じになっている気がする。加菜子ちゃんを突き落とした犯人について福本巡査に相談するのだけれど、この巡査はまるまる木場刑事に投げる。福本巡査が単純にいい人過ぎて何か裏でもあるんじゃないかと思っていたけど最後まで少しヘタレだけどいい人だった。その木場刑事がなんやかんや手伝って美馬坂近代医学研究所まで行く。そこで管に繋がれた加菜子ちゃんとあってその後加菜子ちゃんが誘拐される。ミステリー好きとしては「密室のような状況で消える被害者」のトリックがとても気になる。うろたえている作中の人物と対照的に私はサッカーの試合でゴールを決めたような高揚感で読んでいった。ミステリー好きの何割かは同じ気持ちになった部分だと思う。

 

関口君サイドでは鳥口君と京極堂が出会う。なんだかんだ盛り上がる鳥口君と京極堂をよそについていない関口君。ここで私の学生時代の嫌な思い出が蘇るが、京極堂は馬鹿にしながらもちゃんと解説してくれる。優しい。馬鹿にされるのもいい扱いとは言えないのだが本当につらいのは無視されることだ。その点鳥口君と京極堂はとても優しい。変なところで感動した。鳥口君が持ってきた宗教団体と久保が繋がった。

 

 

 

 

全然文章が書けないので感想を分割することにした。読んでいる時に色々思うことはあるのだけれど、それをいざ表そうとするとこうも難しいのかと悩みながら書いている。前の姑獲鳥の夏はなんであんなに書けたのか。誰に紹介するでもない感想だからあらすじなどは書いていないのだが、付け足したほうがいいのか迷う。

 

魍魎の匣は「はこ」だけだと変換されないのに「もうりょうのはこ」で変換を掛けると出てくる。もっと早くに知りたかった。