すいの読書ノート

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十角館の殺人 ネタバレあり 感想

十角館の殺人

 

推理ものとして有名な小説。最初に知ったきっかけは覚えていないが、ずっとミステリー界隈では有名な本なんだと思っていた。最初に読んだのはもう7年ほど前だった気がする。当時はそこまで衝撃を感じた記憶がない。おそらく流し読み、みたいなことをしたからだと思う。ミステリーを読むようになってどれだけ有名な小説なのか改めて思い知った。電子書籍で読むようになってミステリーおすすめまとめみたいなものに載っていたため、もう一度しっかり読もうと思って買った。読み終わって、何であの時流し読みをしてしまったのか悔やんだ。あの一言の衝撃をしっかりと感じたかった。

 

あらすじ?

角島の十角館を訪れた6人の大学生。一人ずつ殺されていく。果たして犯人は誰なのか

 

 

この作品は十角館が建っている角島と本土での両場面で話が進んでいく。

ここで思い出したが、6人の大学生は推理研に所属しそれぞれ有名なミステリー作家の名前をあだ名として用いてる。本土の二人の大学生もミステリー作家の名前になっている。江南と守須だどちらもコナンとモーリスと読める。ここがミスリードなのだが、江南君は実際にニックネームがコナンである。単なるミスリードともいえるが、こういったこだわりが好きだ。

 

あの一言は衝撃だった。一人ずつ死んでいくというのは『そして誰もいなくなった』のオマージュだと思うが、この作品を先に読んでいる人は死んでしまった中に犯人がいるのではないかと思う。それもまたミスリードなのであるが。島サイドではなんだか知らないうちに一人ずつ死んでいく。反対に本土サイドでは謎がひとつづつ明らかになっていく。この対比がドキドキする。ただの大学生の旅行だと思っていたものが、島にも秘密があり、サークルメンバーの過去も明らかになる。

 

途中で守須の思考もわかるので江南君と同じなんだと安心してしまえる。そして騙される。最後まで読んで江南君が何も知らずにいて可哀想だった。

犯人も最初の文から運を天に任せて、瓶を流したのが自分に返ってくるところは良かった。これが刑事や江南君が拾って逮捕されて終わりではなく、薄々逮捕されるのだろうとわかりながらもその場面が明示されていないことで余韻を感じられてよかった。

 

最初から最後まで一直線にラストまで読んでしまえる作品だった。